トゥスキーズ(刺繍壁掛け)

 カザフ遊牧民の家に入るとまばゆいばかりに模様があちこちに施され、その美しさに目を奪われます。
 そんな中でもベッドの背面の刺繍壁掛けには特に心引かれることでしょう。
 この壁掛けをカザフ語でトゥスキーズと呼びます。この言葉は「ベッド横のフェルト」を意味しますが、現在はフェルトではなく刺繍布となっています。

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この刺繍布は、遊牧民家庭の母親が子どもたち、家族たちが幸せに暮らすことを祈り、願って、おおよそ1~3ヶ月がかりで制作します。売ることを目的として作られていません。制作者名、制作年などが縫い込まれたものもあります。
 模様のほとんどは家畜由来のものであり、鼻の形や角、花(=草、水をも象徴する)をモチーフにしています。草原が花に満たされ(雨がよく降って草の育ちが良いことを象徴)、家畜が殖えること(財産が増えることを象徴)を願って作るのです。また、中には腎臓模様と呼ばれる腎臓断面をモチーフにしたものもあり、これは食料に困ることのないように(つまりは家畜に恵まれるように)と祈ったものもあります。
 糸はそのときに手に入るものを使うほかなく、配色にこだわることがいつも可能とは限りませんでした。時には、糸自体が手に入らず、衣類をほどいて糸を作ってまでして、制作していたそうです。ですから、形を作ることが第一の目的であって、色や配色は二の次の関心事として制作されているようです。
 刺繍はかぎ針を使って裏糸を引き出すという動作を繰り返す、いわば人間ミシンのようにして、非常に素早く制作されます。とはいえ、これだけの規模の刺繍を施すにはそれなりに時間が必要となり、時間の融通が自分の裁量でできる遊牧生活の中でこそ可能となっているようで、生活形態が変わっていく昨今、制作者は減る傾向にあるときかされています。
 布をみると、下部分が途中で終わらせてしまっているのがわかります。理由を聞くと、「造形物は神だけが最後まで作ることが許されているのだ」であるとか、「ひと針、ひと針、愛情を込めて作るものでしょ?その愛情が終わるわけ無いでしょ?」などという説明を受けました。

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カザフの子どもたちは、母親が作ってくれた愛情溢れる刺繍模様の中で育ちます。そして、家を出るときにはその布を持っていかされるそうです。トゥスキーズは母親の手刺繍によって連綿と紡がれ続けてきた家族の絆を見る者に驚きと感動とともに教えてくれています。

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